麻酔と体温調節

  1. 体温の基礎(ヒト)
  2. 体温調節機構(ヒト)
  3. 麻酔の影響

体温の基礎(ヒト)


体温は,大きく中枢温と末梢温の2種類に分けることができる(1)。

 

生理学的に脳温に最も近いとされるのは食道温,鼓膜温,肺動脈温であるが,実際には食道温と鼓膜温が最も信頼性があるとされる(1)。

 

中枢温(核心温)

  • 脳温,とくに視床下部温
  • 鼓膜温
  • 食道温
  • 肺動脈温
  • 鼻咽頭温
  • 直腸温
  • 腋下温
  • 舌下温

末梢温

  • 皮膚温を代表とする表面の温度

体温調節機構(ヒト)

体温調節の中枢は,視床下部 hypothalamus である。ここからの指令によって引き起こされる反応として,発汗 sweating,末梢血管収縮 vasoconstriction,シバリング shivering (寒さなどのため体が震えること)がある(1)。

 

この3つの反応を引き起こす閾値温度は,皮膚温と密接な関係をもつ。皮膚温の寄与率は,発汗が約10%,その他が約20%である(1)。

麻酔の影響

全身麻酔導入後には,中枢体温は30分以内に急激に低下し(initial decrease phase),約2時間後は低下が持続(linear phase),その後平衡状態となる(plateau phase)。

References

  1. 松川 2007a. 麻酔薬と体温調節機構について. 山梨医科学誌 22, 13-20.