グリシン: Glycine, Gly, G

4-25-2017 Last update

 

このページは グリシン @本家UBサイト に恒久的に移転しました。このページもネット上に残っていますが,最新の情報はリンク先を参照して下さい。

 


  1. 概要: グリシンとは
  2. グリシンの生合成
  3. グリシンの分解

関連項目

 

グリシン関連物質



概要: グリシンとは

グリシン glycine は,NH2-CH2-COOH で表されるアミノ酸 amino acid で,タンパク質を構成する 20 種類のアミノ酸のなかで最も単純な構造をもつ。

 

 

pK1 (COOH) = 2.4

pK2 (NH3+) = 9.8


食品成分として

> ホタテやクルマエビの甘味の原因成分である(1)。

> 絹タンパク質には Gly が多く含まれており,加水分解すると甘味料になる(1)。

 


神経伝達物質として

グリシンは,統合失調症 schizophrenia,脳梗塞 stroke,benign prostatic hyperplasia などの治療に用いられることもある。また,腎臓や肝臓を薬の副作用から守るためにも有効とされている。怪我の治療にも効果がある。

 

> 脳幹の蝸牛神経核や脊髄に存在する(1)。

> GABA のように抑制性に働くほか,NMDA 受容体に作用してグルタミン酸の作用を増強する(1)。

> ヒト成体の大脳皮質には,0.4 - 1.0 µmol/g の濃度で存在する(2)。

 

> 記憶力の向上,がんの予防にも繋がるという主張もある。

> クロザピン clozapine の効果を弱めるという相互作用が報告されている。

> 統合失調症の治療には,0.4 - 0.8 g/kg での服用が望ましい。

 


コメント: 0

References

  1. 河合良訓 監修. 脳単―ギリシャ語・ラテン語 (語源から覚える解剖学英単語集 (脳・神経編)).
  2. Govindaraju et al. 2000a. Proton NMR chemical shifts and coupling constants for brain metabolites. NMR Biomed 13, 129-153.