生物の寿命一覧(野生型)

12-14-2016 updated

原則として,最大寿命はサンプルの数が増えると長くなるので,あまり寿命の本質を示す概念ではない。それでも,以下の表を見るといくつかのパターンがあることがわかる。

  • 大きい動物は,原則として小さい動物よりも長寿である。
  • 同じ大きさの動物同士では,鳥類と霊長類が比較的長寿である。
  1. 脊椎動物
  2. 節足動物
  3. その他未整理・動物
  4. 植物

関連項目

 


脊椎動物

哺乳綱 Class Mammalia


 

霊長目 寿命 説明 Ref
ヒト Homo sapiens 122年5ヶ月(最長) フランス人・カルマン夫人。1875 - 1997。 1

 

 

霊長目 寿命 説明 Ref
アカゲザル Macaca mulatta 平均27年,最大40年 Rhesus monkey, Rhesus macaques とも呼ばれる霊長類モデル。 9
チンパンジー Pan troglodytes

野生では 40-45 年

飼育では 59 年

  12,14
オランウータン 59 年   12
ゴリラ 49 年   12

 

 

生物 寿命 説明 Ref
インドゾウ Elephas maximas 81年(最長) 文献 12 では 69 年 1
チンパンジー Pan troglodytes 59年以上(最長)   1
ウマ Equus caballus 50年(最長)   1
イヌ Canis familiaris 20年(最長) 正式和名はイエイヌ 1
ナガスクジラ 116年(最長)   12
ハイイロアザラシ 41年(最長)   12
アフリカライオン 30年(最長)   12
インドサイ 40年(最長)   12
キリン 36年(最長)   12

 

 

翼手目 Chiroptera 寿命 説明 Ref
トビイロホオヒゲコウモリ 32年   12
クビワフルーツコウモリ 23年   12
Little brown bat (Myotis lucifugus) 34年 天然環境で。代謝率から推定される寿命よりも約 8 倍長い。 13

 

 

食虫目 Insectivora 寿命 説明 Ref
トガリネズミ 2年
Short-tailed shrew Blarina brevicauda
13

 

 

有袋類 寿命 説明 Ref
ワラビー 19年(最長) 小型のカンガルーみたいな動物。 12
コアラ 17年(最長)   12
アカノキノボリカンガルー 16年(最長)   12
シロミミオポッサム 4年(最長)   12

 

 

齧歯目 Rodentia 寿命 説明 Ref

ハツカネズミ

(実験用マウス)

Mus musculus

3 年

53 ヶ月(最長)

最長寿命はシビアなカロリー制限を行ったマウスのもので,論文には「我々の知る限り,これまでのどの報告よりも長寿である」と書かれている。

 

マウスの寿命に関する研究は山のようにある。マウスのページに,さまざまな系統および条件下での寿命の一覧を示した。

1,7

White-footed mouse Peromyscus leucopus 8年  

13

モルモット Cavia percellus 12 年 英語では Guinea pig という。

14

 

鳥類

 

生物 寿命 説明 Ref
ヒメコンドル 118年(最長)   12
イヌワシ Aquila chrysaetos 48年(最長) 文献12では46年 1
カモメ Larus argentatus 44年(最長) 正式和名はセグロカモメ 1
コブハクチョウ 102年(最長)   12
ナミガラス 69年(最長)   12
ダチョウ 50年(最長)   12
アヒル 47年(最長)   12
カワラバト 30年(最長)   12
イエスズメ 13年(最長)   12

 

爬虫類

 

生物 寿命 説明 Ref
ガラパゴスゾウガメ Testudo elephantopus 106年以上(最長)   1
アルダブラゾウガメ 152年(最長)   12
ミシシッピワニ 56年(最長)   12
グリーンアノール 7.2 年   14

 

両生類

 

生物 寿命 説明 Ref
オオサンショウウオ 50年(最長)   12
ヒキガエル 36年(最長)   12
アフリカツメガエル Xenopus laevis 30.3 年 両生類モデル。 14

 

魚類

 

生物 寿命 説明 Ref
チョウザメ 152年(最長)   12
メバル 150年(最長)   12
ウナギ 55年(最長)   12
コイ 50年(最長)    
ゼブラフィッシュ Danio rerio 5.5 年 遺伝学 Genetics の研究に利用されてきた代表的な魚類のモデル。 14
Turquoise killifish 1.1 年 寿命が短いことで注目されている新しいモデル生物である。 14
メダカ 5 年 日本初の小型魚類モデルであるが,残念ながらゼブラフィッシュほど普及していない。 14

 

節足動物

昆虫

 

ショウジョウバエ 寿命 説明 Ref
キイロショウジョウバエ Drosophila melanogaster

約 40 日(Canton-S)

約 80 日(UGA98)

親の年齢の影響 を調べた論文。かっこの中は系統,グラフからの推定寿命。親の年齢は最大 26% 影響したと書かれている。 4
 

Chico mutant 53 日

Control 49 日

Chico mutant CR 55 日

Control CR 56 日

chico という遺伝子をノックアウトすると,寿命が延びることがわかっている。メスで chico mutant と寿命を比較した論文。参考: インスリンシグナルと寿命

5,

11

 

0.3 年

データベースではこの値になっている。

14

 

Drosophila の寿命は 45 - 60 日だが,コントロール群の寿命が 20 - 30 日と短い研究例が多く,おかしいという指摘もなされている(11)。

 

生物 寿命 説明 Ref
ツノアカヤマアリの女王 27年(最長)   12

 

その他節足動物

 

生物 寿命 説明 Ref
オオミジンコ Daphnia magna 131 - 146日程度 21 ± 1℃,いくつかの餌の影響を試す実験。 10

 

その他未整理・動物

 

生物 寿命 説明 Ref

センチュウ Carnorhabditis elegans

17.8日(6˚C)

34.7日(10˚C)

20.8日(14˚C)

23.0日(16˚C)

14.5日(20˚C)

9.9日(24˚C)

8.9日(25.5˚C)

普通は20˚C前後で飼育する。10˚Cから繁殖にも影響が出ている。温度が高くなると寿命が短くなることがわかる。これは,一定量のエネルギーを少しずつ使っていくことで寿命が決まるとする古い学説 rate of living theory の考え方によく一致する。

6
 

4日(0)0

5日(1 x 104)0

5日(1 x 106)0

15.1日(5 x 107)14

25.9日(1 x 108)63

19.4日(5 x 108)206

16.0日(1 x 109)273

15.0日(1 x 1010)26

餌のバクテリア濃度を0から 1 x 1010 まで変化させて寿命を比較した実験。

カロリー制限による寿命の延長がみられるが,過給餌の判断が難しい。 かっこの後ろの数字は産卵数で,少なくとも 1 x 1010 は過給餌,と思われる。5 x 107は餌不足か。

 6

 

 

生物 寿命 説明 Ref
ヒドラ Hydra magnipapillata 1400年以上(推定) 通常は加齢とともに死亡率が増大するが,ヒドラではそれがみられず,95%が死亡するまでに1400年以上かかると見積もられた。 2

 

植物

 

針葉樹 寿命 説明 Ref
イガゴヨウマツ 4844年 アメリカの針葉樹 12
パタゴニアヒバ 3620年 チリの針葉樹 12
アラスカヒノキ 3500年 アメリカの針葉樹 12
ベイヒ 2450年 台湾ヒノキ 12

 

 

日本の針葉樹 寿命 説明 Ref
ヒノキ 2000年以上? 法隆寺の柱になっている樹 12
  1065年 屋久島のヒノキ 12
大王スギ 3000年 屋久島 12
縄文杉 2170年 屋久島 12
ハリモミ 800年 南アルプス 12
アカエゾマツ 586年 北海道 12
グイマツ 497年 樺太 12

 

 

日本の針葉樹 寿命 説明 Ref
ツガ 794年 屋久島 12
モミ 624年 屋久島 12
コメツガ 550年 南アルプス 12
トドマツ 310年 樺太 12
ハイマツ 210年 乗鞍岳 12

 

 

広葉樹 寿命 説明 Ref
サガリバナ科の一種 1400年 熱帯アマゾン 12
ブナ 435年 長野 12
ミズナラ 444年 北海道 12
サカキ 353年 高知 12
ダケカンバ 270年 長野 12

 

References

  1. Kirkwood 1999a (Book). 生命の持ち時間は決まっているのか. 原題 Time of our lives. 三交社.
  2. Jones et al. 2014a. Diversity of ageing across the tree of life. Nature 505, 169-173.
  3. Holzenberger 2003a. IGF-1 receptor regulates lifespan and resistance to oxidative stress in mice. Nature 421, 182-187.
  4. Priest et al. 2002a. The role of parental age effect on the evolution of aging. Evolution 56, 927-935.
  5. Clancy et al. 2002a. Dietary restriction in long-lived dwarf flies. Science 296, 319.

  6. Klass 1977a. Aging in the nematode Caenorhabditis elegans: major biological and environmental factors influencing life span. Mech Ageing Dev 6, 413-429.
  7. Weindruch et al. 1986a. The retardation of aging in mice by dietary restriction: longevity, cancer, immunity and lifetime energy intake. J Nutr 116, 641-654.
  8. 倉本 2005a. 老化動物育成区収容マウス・ラットの寿命. 東京都健康長寿医療センター報告. -> Web
  9. Goodrick 1978a. Body weight increment and length of life: the effect of genetic constitution and dietary protein. J Gerontol 33, 184-190.
  10. Bouchnak et al. 2010a. Modulation oflongevityin Daphnia magna by food quality and simultaneous exposure to dissolved humic substances. Limnologica 40, 86-91.
  1. Le Bourg & Minois 2005a. Does dietary restriction really increase longevity in Drosophila melanogaster? Ageng Res Rev 4, 409-421.
  2. 鈴木 2002a. 植物はなぜ5000年も生きるのか 寿命からみた動物と植物のちがい. 講談社ブルーバックス.
  3. Brunet-Rossini 2004a. Reduced free-radical production and extreme longevity in the little brown bat (Myotis lucifugus) versus two non-flying mammals. Mech Ageing Dev 125, 11-20.
  4. The animal aging and longevity database. Link.