コレステロール, cholesterol

3-28-2017 Last update

 

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  1. 概要: コレステロールとは
  2. 膜成分としてのコレステロール
  3. コレステロールの生合成
  4. 血中コレステロール濃度と健康
  5. コレステロールを多く含む食品

関連項目

 

脂質関連の項目



コレステロールとは

コレステロール cholesterol は,4 個の炭素環を基本骨格とするステロイド steroid の一種である(右図, 5)。5 員環に炭素鎖が結合しており,その反対側にヒドロキシル基 -OH がある。

 

以下のような重要な生化学的特徴をもっている。


  • 生体膜 biological membrane の重要な成分である(1)。分子内の極性の分布から,細胞膜中ではリン脂質の脂肪酸と平行に配列し,比較的極性の高いヒドロキシル基がリン脂質の head 部分に近くに位置する。
  • 血中の総コレステロール濃度が 240 mg/dL を超えると,動脈硬化の発症率が急上昇する(3)。また,LDL コレステロール量は動脈硬化の危険因子としてよく用いられている。

原核生物 prokaryotes はコレステロールをもたないが,それ以外の全ての生物に存在すると考えられている。神経細胞で含量が高く,ときには膜脂質の 25% を占める(1)。

膜成分としてのコレステロール

コレステロールは,上の図で左下に位置する OH 基が高い極性をもち,かつ右上の炭化水素鎖部分の極性は低いという両親媒性 の分子である。つまりリン脂質などと同じで,このために生体膜の主成分として使われている。

 

生体膜では,コレステロールは下の図(文献 4 より)のマル 7 で表されるように,リン脂質と平行に,なかば埋もれるようにして膜の中に含まれている。コレステロールの大きさは約 1.5 nm ほどであり,これがややリン脂質よりも小さいためにこのような配置になる。もちろん,コレステロールの極性もこの配置に重要である。

 

 

とくに,不飽和脂肪酸は分子が折れ曲がっているので,細胞膜内にスペースが生じる。コレステロールはそのスペースに入り込み,膜の構造強化に寄与している。

 

血中コレステロール濃度と健康

コレステロールは生体膜の主成分であるほか,リポタンパク質 の成分として 脂質の輸送にも関わっている。つまり,右下の図()のように貯蔵脂質であるトリアシルグリセロールを取り囲み,リポタンパク質としてこれを水に溶ける形にすることで,血液 blood を介した脂質の輸送を可能にしているのである。

 

 

> 総コレステロール量は,たとえば食後のラットで 106 mg/dl(2)。

: なお,ニジマスでは 303 mg/dl で,血中総脂質量(1940 vs 685 mg/dl)とともに約 3 倍高い。

 

> 血液中の総コレステロールが 240 mg/dL よりも高いと,動脈硬化の発症率が急激に上昇する(2)。

コレステロールの生合成

> 生体に必要なコレステロールの約半分は,生合成されたものである(5)。

: およそ 700 mg が一日に生合成される。

: ヒトでは,肝臓と腸がそれぞれ 10% ずつ生合成するが,おそらく全ての有核細胞で生合成が可能である。
: 生合成は,細胞質および小胞体で起こる。

コレステロールを多く含む食品

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References

  1. Berg et al. Biochemistry: 使っているのは 6 版ですが 7 版を紹介しています。
  2. 岡崎 2010a (Review). LDL コレステロールとは? その測定法の問題点と解決策は? オレオサイエンス 10, 471-475.

  3. By Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1528606
  4. By real name: Artur Jan Fijałkowskipl.wiki: WarXcommons: WarXmail: [1]jabber: WarX@jabber.orgirc: [2]consultations: Masur - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link.
  5. 清水 (訳) 2015a. イラストレイテッド ハーパー・生化学 30版.