イノシトール Inositol

10-5-2013 updated

概要

シクロヘキサンの各炭素に結合しているHが,OHに置き換わったシクリトール cyclitol の一種。甘味をもち,ビタミンBの一種と考えられている。

 

OH基がシクロヘキサンの平面に対して上方向についているか,下方向についているかで9種の異性体がある(1)。量的に最も多いのが,右の図に示す myo-inositol である。

 

 


Myo-inositol (m-Ins)

> 機能は未知の点が多いが,細胞増殖,浸透圧調節,グルコース貯蔵などの役割を果たしている(1)。

> グリア細胞のマーカーとして提唱されている(1)。

> 脳には4 - 8 mmol/kg 程度含まれる(1)。

> アルツハイマー病,肝性脳症 hepatic encephalopathy,brain injury などで量が変わる(1)。

> Crucian carp を無酸素状態におくと,心臓で m-Ins 量が低下する(2R)。

Scyllo-inositol (s-Ins)

> 2番目に多いイノシトール。ヒト,ウシ,ヒツジの脳から発見されているが,ラット脳からは検出されない(1)。

References

  1. Govindaraju et al. 2000a. Proton NMR chemical shifts and coupling constants for brain metabolites. NMR Biomed 13, 129-153.
  2. Lardon et al. 2005a. 1H-NMR study of the metabolome of an exceptionally anoxia tolerant vertebrate, the crucian carp (Carassius carassius). Metabolomics 9, 311-323.