NMRによるグルタミン酸およびグルタミンの検出

1-29-2015 updated

  1. プロトン MRS
  2. 低磁場 MRS での検出

関連項目



1H-NMR

右図(文献1)の A は,哺乳類の脳 brain(大脳皮質 cortex)の H-MRS (in vivo) の結果である。代謝産物の量がピーク面積として表されている。脳から水-エタノール系緩衝液で抽出された代謝産物をプロトン NMR にかけても同様の結果が得られる。

 

最も目立つのが N-アセチルアスパラギン酸(NAA)のピークであり,そのほかにクレアチン(total creatine, tCr),コリン(Cho)のピークが大きい。

 

グルタミン酸 Glu およびグルタミン Gln は複数の等価でないプロトンをもつため,複数のピークを与えるが,最もはっきりしているのは Glu H4 および Gln H4 のピークである。NAA の左に重なって現れる(右図C)。


1H-NMR

それぞれのプロトンのケミカルシフト値などは以下の通りである(1-3)。Glu-H2 は,Gluの2番の炭素に結合しているプロトンを示す。

 

ピークの分離は,当然磁場が強いほど良くなる。研究用に用いられる9 T前後の磁場のMRSでどのように見えるかをコメント欄に示してある。

 

Proton

Chemical shift (ppm) in D2O

Multiplicity Comments
Glu-H2 3.74 dd MRSではGln-H2と重なる。
Glu-H3 2.04 and 2.12 m MRSではGln-H3と重なる。
Glu-H4 2.34 and 2.35 m MRSではGln-H4と一部重なる。
Proton

Chemical shift (ppm) in D2O

Multiplicity Comments
Gln-H2 3.75 t  
Gln-H3 2.11 and 2.13 m  
Gln-H4 2.43 and 2.45 m  

低磁場MRSでの検出

臨床用の MRI の磁場は 1.5-3 T ほどで,Glu と Gln のピークを分離することが難しい(4I)。両者を合わせて Glx として定量することも行われているが,低磁場での分離を可能にするための検討も行われている。

PRESS (point-resolved spectroscopy)


> PRESS sequence という Glu 定量のためのパルスがある(4I)。

: TE-averaged PRESS, constant-time (CT) PRESS という方法もある。

: 文献4では,CT-PRESS を使って 3 T での Glu, Gln の定量を in vitro, rat in vivo で可能にしている。

: エタノールの投与で,rat 脳で16週後にまず Gln が,24週後に Glu が増えることも示している。

STEAM (stimulated echo acquisition mode)


> これもパルスシークエンスの一つ(4I)。

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References

  1. de Graaf et al. 2011a (Review). State of the art direct 13C and indirect 1H-[13C] NMR spectrometry in vivo. A practical guide. NMR Biomed 24, 958-972.
  2. Govindaraju et al. 2000a. Proton NMR chemical shifts and coupling constants for brain metabolites. NMR Biomed 13, 129-153.
  3. de Graaf et al. 2004b. Regional glucose metabolism and glutamatergic neurotransmission in rat brain in vivo. Proc Natl Acad Sci USA 101, 12700-12705.
  4. Gu et al. 2013a. Quantification of glutamate and glutamine using constant-time point-resolved spectroscopy at 3 T. NMR Biomed 26, 164-172.