Ghrelin, グレリン

4-16-2015 updated

  1. 概要: グレリンとは

関連項目

  • 成長ホルモン GH
  • GOAT(英語): Ghrelin O-acyltransferase



概要: グレリンとは

Ghrelin は胃から分泌されるホルモンで,28 残基のアミノ酸から成る(3)。 成長ホルモン growth hormone (GH) の分泌を促進するとともに,GH とは独立して食欲 appetite を制御する機能ももつ。


文献 4 より。


構造

グレリンの構造上の特徴は,脂肪酸による修飾を受ける ことである。

 

8 個の炭素をもつオクタン酸 octanoate が CoA と結合して octanoly CoA となり,これが ghrelin のセリン残基 Ser-3 に結合する(3I)。2010 年の論文では,オクタン酸による修飾を受ける唯一の分子であると書かれている(3I)。

 

この脂肪酸修飾は,GOAT(英語ページ)という酵素に触媒される。


食欲制御とグレリン Appetite regulation and ghrelin

以下の結果から,グレリンは 食欲を増進させる 方向に作用すると考えられている。このような働きをもつ末梢ホルモンは,orexigenic であるという(1)。逆に,食事中または食後に量が増え,食事を中断させる方向に働くものは anorexigenic であるという。

> 血中 ghrelin 量は食事制限によって増える(2I)。

> 通常の食事の前にも血中量が増大する(3I)。

> Ghrelin 投与は食欲を刺激する(2I,3I)。

> グレリン受容体 ghrelin receptor をアンタゴナイズすると,食欲が抑制される(2I)。

グレリンは,VTA領域のドーパミン作動性ニューロンを活性化させる(1)。これが線条体 striatum の神経核 NAc のドーパミンを増やし,食欲を増進させると考えられる。関連する報告は以下の通り。


> トランスポーターがあるので,血液脳関門を通過することができる(1)。なおレプチンも同様である。


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References

  1. Gibson et al. 2010a (Review). Neuroimaging, gut peptides and obesity: novel studies of the neurobiology of appetite. J Neuroendocrinol 22, 833-845.
  2. Zigman et al. 2005a. Mice lacking ghrelin receptors resist the development of diet-induced obesity. J Clin Invest 115, 3564-3572.
  3. Zhao et al. 2010a. Ghrelin O-acyltransferase (GOAT) is essential for growth hormone-mediated survival of calorie-restricted mice. PNAS 107, 7467-7472.
  4. Labarthe et al. 2014a. Ghrelin-derived peptides: a link between appetite/reward, GH axis, and psychiatric disorders? Front Endocrinol 27.